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静寂なる秋の海岸、葉山。植田正治の映像。

Posted on 2015-10-18

撮ったままになっていた写真を、すこしずつあげようシリーズ、その1。
晩秋のモノクロ浜辺写真、三浦半島・葉山より。

神奈川県立近代美術館・葉山の裏の海岸は、狭い路地を奥に奥にと進むと到達できる場所で、独特の隔絶感というか、プライベート感があって、実にいい立地。


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浅はかにも、植田正治っぽい写真をとりたい…と思って撮ってみたものの、遠く及ばないカットも見受けられる模様…。

植田正治といえば、2006年に出ていた「画ニメ つゆのひとしずく ~「植田正治」の写真世界を彷徨う」というDVDが、なんともいえず良かった記憶。
http://www.toei-anim.co.jp/sp/ganime/tsuyu/index.html
https://youtu.be/paXq-r6PZEs

https://youtu.be/paXq-r6PZEs

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このDVD、家のどこかに、まだあるだろうか。

そんでもって、「植田正治×遊佐未森」というタイトルのこの映像も、とってもよくて。なんか、もし脳細胞に歯茎みたいなところがあったら、そこを触られたような、ふわふわとした気分になる映像。子どもの頃の記憶、につながろうとしている構成だからなのかな。


上の2つとは逆に、植田正治自身が撮影をした映像といえば、確か東京駅ステーションギャラリーでやっていた植田正治展で流れていた、ARB「AFTER’45」のミュージックビデオが脳裏に焼き付いている。

最後のフラッグをあげるシーンの力強さと、カラフルさに、震えがくる。

この接地感というか、重力感がたまらない。

 

植田正治は、実に、重力を重力のままに受け止めていたんじゃないかと思う。
真っ白な砂丘にすっくとたつ人のシャドウ。白飛びしている砂丘は、この世に「地面」がなかったんじゃないかと思わせるほどに、その存在感を消されようとしているが、そうであるが故に、そこにまっすぐ立つ人の、黒いシャドウが際立ち、結果「重力」を感じさせる絵になっているんだと思う。

 

重力があるから、重力から自由になりたくなる。
でも、ほとんどにおいて重力に抗うことはできない。
だとしたら重力をしっかり受け止めてみるのもいいかもしれない。
浮遊感を描くのは、その次の段階…かも…と思った深夜。

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