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日野夕景

Posted on 2012-09-09

そろそろ夏が終わろうとしている。
鳥が喚かない日の光は白く、陽が傾いたとたんに青く染まる。
”しっぽり”という言葉が、さっきから頭の中を回っていて、
口先が勝手につぶやいている。

日野駅前にはハンバーガーショップがあって、
街道を走る車列は途切れることがなくて、
そして空は結構広くて、
アメリカの西海岸のロードサイドに来ているかのような錯覚におちいる。
実際には行ったことがない、西海岸のロードサイド。

線路沿いの築堤を見上げると架線柱が、
いつかプラネタリウムで見たCGのように、
ハッキリとしたコントラストで立っている。

鉄路に響くカラカラという音が、
銀色の鉄道の接近を知らせる。

雲の向こう側で何かが発光し、突然一部分がピカピカと光る。
花火だろうか。それとも、何かの信号のようなもの、だろうか。

黄色い光の帯が、金属的なリズムを奏でながら、
川を渡っていく。

鉄橋下で、
告白をするには少し暗すぎる時間になった。
そろそろ闇に突入する、日野より。

 

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